同行援護と移動支援の違いは何ですか?
Q.質問 同行援護と移動支援の違いは何ですか? |
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A.特定社会保険労務士・行政書士岩本の回答 「同行援護」は国が対象者等を決めていますが、「移動支援」は市町村が独自で対象者等を決めています。 |
障がい者等に対するサービスでありながら、それぞれ別のサービスとして規定されている「同行援護」と「移動支援」。
初めて障害福祉サービスを提供したいという方にとっては、こういうちょっとしたことも疑問に感じると思います。
そこで、このページでは、同行援護と移動支援の違いについて、わかりやすく解説していきたいと思います。
■同行援護と移動支援の違い 位置づけ
平成23年10月から、移動支援事業のうち、重度視覚障害者に対する個別支援を「同行援護」として創設し、障害福祉サービスの一種として位置づける改正が行われました。
これにより、同行援護は国の制度として定められ、どこの市町村でもサービス内容・事業所開設の要件等がほぼ同じということになりました。
これに対し、移動支援は市町村独自の制度になりますので、事業所の所在地の市町村によって要件等が一部異なります。
まず、全国同一のサービスである「同行援護」に対し、市独自のサービスである「移動支援」という大きな違いがあります。
■同行援護と移動支援の違い サービス
移動支援事業は、障がい者等が円滑に外出することができるよう、外出の支援が必要と認められる方(重度訪問介護、同行援護及び重度障がい者等包括支援の受給者は除く)に対して、移動支援サービスの提供により、障がい者の自立の促進および生活の質の向上等を図る目的で行われています。
例えば大阪市の場合、移動支援の対象者は、大阪市内在住の在宅の障がいのある方で、外出の支援を必要と認められる以下の方に限られています。
- 重度の盲ろう者(児)
- 知的障がい者(児)
- 精神障がい者(児)
- 施設入所している全身性障がい者
- 重度の全身性障がい者(児)
なお、上記の対象者は大阪市における取扱いとなり、事業を実施する市町村で取扱いが異なる場合がありますので、事前に管轄の市町村でご確認ください。
移動支援のサービスは、社会生活上必要不可欠な外出及び余暇活動等社会参加のための外出とされており、原則として1日の範囲内で用務を終えるものに限られます。
ただし、下記の外出については移動支援のサービスの対象外となります。
- 通勤、営業活動等の経済活動にかかる外出
- 通年かつ長期にわたる外出
- 社会通念上適当でない外出
これに対し、同行援護は、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護等の便宜を供与することと定められています。
サービス内容については、移動時及びそれに伴う外出先において必要な視覚的情報の支援、移動の援護等を行いますが、視覚的情報の支援については代筆や代読も含まれます。
原則として、同行援護の対象となる方については「同行援護」を利用し、対象にならない方について「移動支援」を利用することになります。
ただし、グループ支援など同行援護で対応できない場合には、移動支援を利用することになります。