訪問介護事業所の特定事業所加算の算定要件とは?
Q.質問 訪問介護事業所で特定事業所加算を取るにはどういう要件が必要ですか? |
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A.特定社会保険労務士・行政書士岩本の回答 訪問介護の特定事業所加算は合計5種類あり、それぞれに算定要件がありますので、それらを満たすことが出来れば加算を取ることができます。 |
訪問介護の特定事業所加算は(Ⅰ)~(Ⅴ)まで5種類あり、それぞれに算定要件が定められています。
その要件を満たす場合に限り加算を取ることができますので、人員の配置等が手厚く出来そうな事業所は、加算を取ることも検討してみてください。
それぞれの特定事業所加算の要件は以下のとおりです。
■特定事業所加算(訪問介護)の種類と算定要件(令和6年4月以降~)
種類 |
要件 |
加算率 |
(Ⅰ) |
次に掲げる基準のいずれにも適合すること。 (1)全ての訪問介護員等に対し、個別の研修計画を作成し、当該計画に従い研修を実施又は実施を予定していること。 (2)利用者に関する情報、サービス提供に当たっての留意事項の伝達等を目的とした会議を定期的に開催すること。 (3)利用者に関する情報やサービス提供に当たっての留意事項を文書等の確実な方法により伝達してから開始するとともに、サービス提供終了後、担当する訪問介護員等から適宜報告を受けること。 (4)全ての訪問介護員等に対し、健康診断等を定期的に実施すること。 (5)緊急時等における対応方法が利用者に明示されていること。 (6)病院、診療所、訪問看護ステーションの看護師との連携により、24時間連絡できる体制を確保しており、かつ、必要に応じて訪問介護を行うことができる体制の整備、看取り期における対応方針の策定、看取りに関する職員研修を実施していること。(*) (9)訪問介護員等の総数のうち、介護福祉士の占める割合が100分の30以上又は介護福祉士、実務者研修修了者並びに基礎研・ヘルパー1級修了者の占める割合が100分の50以上であること。 (10)全てのサービス提供責任者が3年以上の実務経験を有する介護福祉士又は5年以上の実務経験を有する実務者研修修了者若しくは基礎研・ヘルパー1級修了者であること。 (13)前年度又は算定日が属する月の前3月間における利用者の総数のうち、要介護状態区分が4及び5である者、日常生活自立度が一定以上であること、喀痰吸引等を必要とする者の占める割合が100分の20以上であること。 (*) (14)看取り期の利用者への対応実績が1人以上であること。 (*)は選択式のため、(13)、((6)+(14))はいずれかを満たせばよい |
20% |
(Ⅱ) |
上記加算(Ⅰ)の(1)から(5)までに掲げる基準のいずれにも適合し、かつ、(9)又は(10)のいずれかに適合すること。 | 10% |
(Ⅲ) |
上記加算(Ⅰ)の(1)から(5)までに掲げる基準のいずれにも適合し、かつ、(13)、((6)+(14))のいずれかに適合し、かつ、基準を上回る数の常勤のサ責を1名以上配置又は訪問介護員等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が100分の30以上であることという基準に適合すること。 | 10% |
(Ⅳ) |
上記加算(Ⅰ)の(1)から(5)までに掲げる基準のいずれにも適合し、以下の(11)又は(12)のいずれかに適合すること。 (11)常勤のサービス提供責任者が2人以下の事業所であって、サービス提供責任者を常勤により配置し、かつ、基準を上回る数の常勤のサービス提供責任者を1人以上配置していること。 (12)訪問介護員等の総数のうち、勤続年数7年以上の者の占める割合が100分の30以上であること。 |
3% |
(Ⅴ) |
上記加算(Ⅰ)の(1)から(5)に掲げる基準のいずれにも適合し、以下の(7)及び(8)に適合すること。 (7)通常の事業の実施地域内であって中山間地域等に居住する者に対して、継続的にサービスを提供していること。 (8)利用者の心身の状況又はその家族等を取り巻く環境の変化に応じ、事業所のサ責が起点となり、介護支援専門員、医療関係職種等と共同し、訪問介護計画の見直しを行っていること。 |
3% |
なお、上記特定事業所加算のうち、別区分同士の併算定は原則としてできませんが、ⅤとⅤ以外の区分は併算定が可能ですのでご注意ください。
特定事業所加算(訪問介護)を取ると介護報酬を上乗せして請求できますが、加算の算定要件となっている一定の有資格者等が退職した場合、その加算の算定要件を満たさなくなる場合がありますので、その場合は速やかに算定区分の変更等の手続きを行わなければなりません。
訪問介護事業所で特定事業所加算の届出をしたいけれど算定要件がわかりにくい、手続きが思うように出来ないという法人様は、弊所をご利用ください。