合資会社の設立方法は?
Q.質問 合資会社と合同会社はどう違うのですか? |
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A.特定社会保険労務士・行政書士岩本の回答 「合同会社」の出資者は1人でも構いませんが「合資会社」の出資者は最低2人必要で、そのうち1人は無限責任社員である必要があります。 |
合資会社は、株式会社、有限会社に比べ、個人事業に近い会社形態と言えます。
特に、会社名で商売をする必要がない職種(介護事業所、飲食店、理美容店等)に適しており、また、税金対策のために法人化したいという場合に設立される会社です。
合資会社は株式会社等とは違い、無限の責任を負う無限責任社員と、出資の範囲のみの責任を負う有限責任社員とで構成されます。
株式会社は「有限責任社員のみ」で構成される会社形態ですが、合資会社の無限責任社員は、個人の財産をなげうってでも責任を負わなければならない出資者なのです。
*「社員」とは通常の社員(=従業員)という意味ではなく、「出資者」を意味します。
合同会社が設立できるようになるまでは、介護・福祉事業所を開設するために合資会社を設立するケースも多くありました。
ただ、合同会社が設立できるようになってから、出資者が最低2人以上必要な合資会社をあえて設立する必要性がなくなったこともあり、小規模の会社を設立するなら「合同会社」を選択する方がほとんどになったような気がします。
とはいえ、合資会社を設立したいと思う方がまったくいないとも言い切れません。
そこで、合資会社を設立するには、いったいどういうことを決めなければならないのか、詳しく解説していきたいと思います。
決めなければならない事項は?
合資会社の設立に当たって決めなければならない事項は以下のとおりです。
- 社名(商号)
「○○合資会社」「合資会社○○」など。 - 本店所在地
本店所在地によって申請先の法務局が変わってきますので、早めに決めましょう。 - 事業目的
介護・福祉事業を行う上では最も重要です。よく考えて決めましょう。 - 資本金
介護・福祉事業の運営に支障がないよう準備しましょう。 - 出資者
最低2人以上の出資者が必要です。誰がいくら出資するか決めましょう。 - 事業年度
設立してすぐに決算期を迎えるということのないよう、よく考えて決めましょう。
上記会社概要は特に重要事項のため、変更が生じた場合、ほとんどが変更の手続きを行わなければなりません。
変更手続きには、手間も費用もかかることから、合資会社設立時に十分検討した上で会社概要を決定した方が良いでしょう。
特に「事業目的」は、きちんと明記しておかないと指定を受けることができませんのでご注意ください。
とはいえ、どんな事業目的を入れておけばいいか、わかりにくい部分も多いかと思います。
弊所で合資会社設立の手続きをさせて頂くときには、介護・福祉事業所の指定申請に支障がないよう、また、何度も変更することのないよう、会社概要をアドバイスさせて頂いております。
無駄な手間や費用をかけず、スムーズに、かつ、指定申請に支障がない合資会社を設立されたい方は、弊所にご相談ください。
合資会社設立手続きの流れは?
弊所で設立手続きを代行させて頂いた場合の手続きの流れは、以下のとおりです。
- 会社概要の決定
実施するサービス等をお聞きし、打ち合わせをさせて頂いた上で会社概要を決定します。 - 定款等書類作成
会社概要を盛り込んだ「定款」等申請書類を作成します。 - 資本金入金
銀行口座に資本金を入金して頂きます。 - 申請
資本金が入金された証明書や他の書類をまとめ、法務局に申請します。 - 設立
申請から1週間前後で合資会社が設立します。
正直、合資会社を設立するだけであれば、多少の時間があればご自身でもできるかもしれません。
ただ、介護・福祉事業を行うために合資会社を設立する場合、ただ単に会社を作ればいいというわけではありません。
適当に会社概要を決定したばかりに、変更が必要になったり、指定が受けられなければ本末転倒です。
介護・福祉事業所の指定申請に支障がないような合資会社を設立する自信がない・・・という方は、弊所にご相談ください。